転職活動でAIを使う人が増えています。
特に自己PRは、「何を書けばいいか分からない」「自分の強みを言葉にできない」と悩む人が多く、AIに相談した経験がある人も少なくありません。
結論から言うと、AIで自己PRを作ること自体は問題ありません。
しかし、AIが作った文章をそのまま使うと、面接で評価を落とす可能性があります。
私はAWSでLoop面接を担当していましたが、評価していたのは、用意された言葉ではなく、応募者が自分の経験を自分の言葉で説明できるかどうかでした。
この記事では、採用担当の視点から、AIを使っても評価される自己PRの作り方と、評価を下げてしまう使い方を解説します。
AIで自己PRを作ること自体は問題ない
AIは、自己PRをゼロから考えるのが苦手な人にとって便利なツールです。
例えば、
- 自分の経験を整理する
- 強みを言語化する
- 読みやすい文章へ修正する
- 誤字脱字を確認する
このような使い方であれば、大きなメリットがあります。
特に、頭の中では分かっていても文章にできない人には、有効な補助になります。
一方で、「AIが作った文章なら評価される」と考えるのは危険です。
採用担当は、文章の美しさだけを評価しているわけではありません。
自己PRだけでなく、職務経歴書全体をAIで作成・添削する際にも同じ注意が必要です。
AIへ任せてよい範囲と、採用評価を落とす使い方は次の記事で解説しています。

採用担当が見ているのは「あなたらしさ」
自己PRは、自分を良く見せるための文章ではありません。
採用担当に、
「この人と一緒に働くイメージが持てるか」
を伝えるための文章です。
そのため、
- どんな仕事をしてきたのか
- なぜその行動を取ったのか
- どんな考え方をする人なのか
が伝わることが重要になります。
AIは読みやすい文章を作ることは得意です。
しかし、「あなたらしさ」を作ることはできません。
だからこそ、AIが作った文章をそのまま提出すると、きれいにまとまっているのに印象に残らない自己PRになりやすいのです。
自己PRだけを整えても、職務経歴書全体から伝わる人物像と一致していなければ説得力は弱くなります。
採用担当が職務経歴書を開いたときに最初に確認するポイントは、次の記事で解説しています。

AIを使った自己PRで評価が下がる人の共通点
採用担当として見てきた中で、自己PRが評価につながらない人には共通点がありました。
それは、
具体的な経験が見えてこないことです。
例えば、
「コミュニケーション能力があります。」
「課題解決が得意です。」
「主体性があります。」
このような表現だけでは、多くの応募者と変わりません。
面接では必ず、
「そのように考える理由を教えてください。」
「具体的なエピソードはありますか。」
と質問されます。
ここで自分の経験を話せなければ、自己PR全体の説得力が下がってしまいます。
AIは一般的に評価されやすい表現を提案してくれます。
しかし、その文章を自分の経験へ置き換える作業は、自分で行う必要があります。
AIで作った自己PRを採用担当は見抜けるのか
「AIを使ったことは分かりますか。」
これもよくある質問です。
結論として、AIを使ったかどうかを判断することはできません。
しかし、
「本人の言葉ではないかもしれない」
と感じる場面はあります。
私がLoop面接で確認していたのも、文章そのものではありません。
自己PRに書かれている内容について、
「なぜその行動を取ったのですか。」
「他の選択肢はありましたか。」
「その経験から何を学びましたか。」
と質問したときの答え方です。
ここで自分の言葉で自然に説明できる人は、AIを使っていたとしても問題ありません。
一方で、説明が曖昧になったり、話に一貫性がなくなったりすると、「内容を十分理解していないのではないか」という印象につながります。
AIで評価される自己PRを作る5つのポイント
1. AIには事実だけを伝える
AIは入力された情報をもとに文章を作ります。
そのため、まずは自分の経験を整理しましょう。
例えば、
- 担当した業務
- 工夫したこと
- 成果
- 困難だったこと
- 学んだこと
このような情報を具体的に入力するほど、自分らしい自己PRになりやすくなります。
一方で、「IT企業向けの自己PRを作ってください」のような曖昧な指示では、誰にでも当てはまる文章になりがちです。
2. AIに完成品を作らせない
おすすめなのは、AIを「共同編集者」として使うことです。
例えば、
- この文章を分かりやすくしてください
- このエピソードの強みを整理してください
- 読みにくい部分はありますか
という使い方です。
ゼロから最後までAIに任せるより、自分で作った文章をブラッシュアップする方が、あなたらしさを残せます。
3. 強みよりもエピソードを書く
自己PRで重要なのは、「私は〇〇が得意です」と書くことではありません。
その強みが伝わる経験を書くことです。
例えば、
「コミュニケーション能力があります。」
だけでは説得力はありません。
しかし、
「関係部署との認識のずれを解消するため、週1回の打ち合わせを提案し、プロジェクトの遅延を防いだ。」
という経験があれば、採用担当は自然とコミュニケーション能力を感じ取れます。
自己PRは、強みを主張する文章ではなく、強みを証明する文章です。
4. 面接で話せる内容だけを書く
これは私が面接で最も重視していたポイントです。
自己PRは提出して終わりではありません。
面接では、
- なぜそう考えたのですか
- どのような状況でしたか
- あなたの役割は何でしたか
- 他の方法は検討しましたか
といった質問が続きます。
AIが作った文章を暗記するのではなく、自分の経験を説明できる状態にしておくことが大切です。
面接では、整った回答を暗記しているかではなく、実際の経験を自分の言葉で一貫して説明できるかが見られます。
技術力や経歴があっても採用されなかった人と、高く評価された人の違いは次の記事で解説しています。

5. 最後は必ず自分の言葉で書き直す
AIが作った文章は、どうしても表現が似通いやすくなります。
少し言い回しを変えるだけでも、その人らしさは伝わります。
読み返したときに、
「普段の自分ならこう言う」
と思える表現に修正しましょう。
このひと手間が、面接でも自然な受け答えにつながります。
AIだけでは採用される自己PRにならない理由
AIは文章を整えることは得意です。
しかし、
「どの強みをアピールすれば応募企業に評価されるのか」
までは判断できないことがあります。
企業によって求める人物像は異なります。
同じ経験でも、
ある企業では評価され、
別の企業ではあまり評価されないこともあります。
だからこそ、自己PRは文章の完成度だけではなく、「誰に向けて書くか」が重要になります。
自己PRでは、応募企業の募集要項にある必須条件と、自分の経験や成果を対応させる必要があります。
企業から評価される経験と、求人票の必須条件の考え方は次の記事で解説しています。

AIと転職エージェントを組み合わせるのがおすすめ
AIで自己PRを整理したら、一度転職エージェントにも見てもらうことをおすすめします。
転職エージェントは、多くの応募書類を見てきた経験から、
- この企業ならこちらをアピールした方が良い
- この表現はもっと伝わりやすくできる
- この経験を前面に出した方が評価されやすい
といったアドバイスをしてくれます。
AIは文章を整えることは得意ですが、応募企業ごとの選考傾向までは把握できません。
そのため、
AIで作成 → 転職エージェントで添削
という流れは、効率と精度を両立しやすい方法です。
自己PRや職務経歴書の添削を受けたい場合は、IT人材の経験や希望職種を理解できる転職エージェントを選ぶ必要があります。
30代IT人材向けのサービスは、次の記事で目的別に比較しています。

よくある質問
AIで作った自己PRをそのまま提出しても大丈夫ですか?
おすすめしません。
内容を理解し、自分の言葉に直してから提出しましょう。
AIを使ったことは採用担当に分かりますか?
AIを使ったかどうかを判断することはできません。
ただし、自分の経験として説明できない自己PRには違和感を覚えることがあります。
自己PRが思いつかない場合でもAIは役立ちますか?
役立ちます。
まずは担当業務や成果を書き出し、その内容を整理するためにAIを活用すると、自分では気付かなかった強みが見えてくることがあります。
AIを用いた職務経歴書作成についてはこちらにまとめています。

まとめ
AIは、自己PRを考えるうえで非常に便利なツールです。
しかし、採用担当が評価しているのは、AIが作った文章ではありません。
その内容を、自分の経験として自信を持って話せるかどうかです。
私がLoop面接で重視していたのも、自己PRの美しさではなく、その裏付けとなる経験や考え方でした。
AIは「答えを作るため」ではなく、「自分の経験を整理し、伝わりやすくするため」に使うことで、本来の力を発揮します。
そして、応募企業に合った自己PRに仕上げたい場合は、AIだけに頼るのではなく、転職エージェントによる添削も活用すると、より効果的です。
30代・40代のIT転職では、自己PRだけでなく応募先選びも重要です。Career Labでは、おすすめの転職エージェントを比較していますので、あわせて参考にしてください。
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AIで自己PRを整えた後は、職務経歴書全体との一貫性、採用担当が見るポイント、応募先に合った転職エージェントの選び方まで確認してください。



