転職活動では、職務経歴書は「自分がやってきたことを詳しく説明する書類」だと思われがちです。
しかし、採用担当が最初に知りたいのは、細かな業務内容ではありません。
「この人と面接で話してみたいか。」
まずはそこを判断しています。
私はAmazon Web ServicesでLoop面接を担当していました。
面接では、職務経歴書を見ながら応募者の経験や強みを確認し、その内容をもとに面接を進めていました。
この記事では、その経験をもとに、職務経歴書で最初に見ていたポイントを紹介します。
採用担当は職務経歴書を「読む」のではなく「判断」している
採用担当は、一字一句を丁寧に読んでいるわけではありません。
限られた時間の中で、「面接したい人」を探しています。
そのため、職務経歴書を開いた瞬間から、
- どんな仕事をしてきた人なのか
- 自社で活躍できそうか
- 面接で詳しく聞いてみたいか
を短時間で判断しています。
つまり、職務経歴書は、最後まで読ませることよりも、早い段階で「この人と話してみたい」と思ってもらうことが重要です。
採用担当が最初に確認する5つのポイント
私が職務経歴書を読むとき、最初に確認していたのは次の5つです。
現在どのような仕事をしているか
現在の仕事内容を見ることで、その人の現在地が分かります。
担当している業務だけではなく、どのような立場で仕事をしているのかも確認していました。
キャリアに一貫性があるか
転職回数よりも見ていたのは、キャリアの積み重ね方です。
経験を広げているのか、それとも方向性が見えないのかを確認していました。
どこまで責任を持っていたか
同じプロジェクトでも、メンバーとリーダーでは期待される役割が異なります。
どこまで責任を持って仕事をしていたのかは重要な判断材料です。
成果が分かるか
担当業務だけでは評価できません。
改善したことや成果が分かる内容があるかを確認していました。
募集ポジションとの共通点があるか
経験が豊富でも、応募先との接点が分からなければ評価しにくくなります。
募集しているポジションで活躍する姿を想像できるかを見ていました。
面接では、職務経歴書を見た瞬間に「この人とは話が弾みそうだ」と感じることがありました。

私が「読むのがつらい」と感じた職務経歴書
読みにくい職務経歴書には、共通点がありました。
一つ目は、情報量が多すぎることです。
経験をすべて伝えようとするあまり、何ページにもわたって業務内容が続き、本当に伝えたいことが埋もれてしまっています。
二つ目は、人物像が見えないことです。
担当業務や技術名は数多く書かれていますが、「この人はどんな強みを持っているのか」が最後まで分かりません。
三つ目は、何を一番伝えたいのか分からないことです。
すべての経験が同じ重さで書かれているため、採用担当はどこに注目すればいいのか判断できません。
どれも経験不足が原因ではありません。
情報の整理ができていないことで、本来の魅力が伝わらなくなっていました。
情報を整理する目的でAIを使うことはできます。ただし、AIに文章を任せると、本人の強みが見えない職務経歴書になることがあります。AIを使う範囲と注意点は、次の記事で解説しています。

私が「面接したい」と思った職務経歴書
反対に、「この人とは一度話してみたい」と感じる職務経歴書にも共通点がありました。
特別な経歴がある人ばかりではありません。
読み手への配慮があり、短時間で人物像が伝わる職務経歴書です。
最初の数分で人物像が分かる
職務経歴書を読み始めてすぐに、
「インフラが強い人」
「プロジェクトマネジメントを経験している人」
「クラウド移行を数多く担当してきた人」
というように、その人の特徴が頭に入ってきます。
採用担当は、その後の内容も「その人物像」を確認しながら読み進められます。
経験よりも強みが伝わる
経験年数が長いことよりも、「何が得意なのか」が分かる職務経歴書は印象に残ります。
AWSの設計経験なのか。
顧客折衝なのか。
チームマネジメントなのか。
強みが明確になることで、募集ポジションとの相性も判断しやすくなります。
そして職務経歴書の強みと自己PRは別々に作るものではありません。
募集ポジションで生かせる経験を選び、同じ人物像が伝わるように整える必要があります。

面接で聞きたいことが自然に浮かぶ
良い職務経歴書は、すべてを書き切ろうとはしていません。
「このプロジェクトは詳しく聞いてみたい」
「この成果はどのように実現したのだろう」
そう思わせる余白があります。
職務経歴書は面接を代わりに行う書類ではありません。
面接につなげるための書類です。
30代ITエンジニアが意識すべきこと
30代になると、技術力だけでは評価されなくなります。
採用担当は、「この人なら任せられそうか」という視点でも職務経歴書を見ています。
そのため、担当した業務だけではなく、
- どのような役割だったのか
- どのような課題を解決したのか
- 周囲にどのような影響を与えたのか
が伝わる内容になっているかが重要です。
経験を多く書くことよりも、自分の価値が伝わることを意識すると、職務経歴書の印象は大きく変わります。
まとめ
採用担当は、職務経歴書を読む前から「落とそう」と考えているわけではありません。
限られた時間の中で、「面接したい人」を探しています。
だからこそ、職務経歴書では経験を並べることよりも、「どんな人物なのか」を短時間で伝えることが重要です。
もし職務経歴書を書いていて、「何を書けばいいか分からない」と感じたら、一度立ち止まって考えてみてください。
この職務経歴書を読んだ人は、数分後に自分のことを説明できるだろうか。
その答えが「はい」であれば、採用担当にも伝わる職務経歴書に近づいています。
職務経歴書の目的は、採用を決めることではありません。
面接の機会を得ることです。
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